TILT/ARTI &MESTIERI(1974)
1 GRAVITA 9.81
2 STRIPS
3 CORROSIONE
4 POSITIVO/NEGATIVO
5 IN CAMMINO
6 SCACCO MATTO FARENHEIT
7 ARTICOLAZIONI
8 TILT
高校のときに、今福君にツェッペリンのフィジカルグラフィティを貸して、その代わりにイエスソングスをテープに入れてもらった。でも、なかなかレコードを返してもらえずに、今福君がその代わりにテープに入れてくれたのがタイフォンのファーストと、このアルティ エ メスティエリのティルトであった。最初は、よく分からなかったが、何度も何度も聞いてしまう。どんどんひきつけられた。一曲一曲の名前もよく知らず、バンドのこともまったく知らなかったが、この音は先入観なしで心に届いたのである。 
 めちゃくちゃ手数が多いドラマー、フリオ キリコが率いるアルティ エ メスティエリの1974年のデビュー作である。自分は、イタリア物では一番好きな作品かもしれない。すごくテクニカルでマイケルジャイルス並にて数が多いフリオ キリコのドラムを中心に高度な技術のジャズロックなんだが、ギターのジジ ヴェネゴーニの作曲と、ヴァイオリンの切ない響きが音楽を決定する。PFMに触発された作品なのかもしれないがある面PFMをつき抜けていると思う。
 1曲1曲がつながりあっていて、あっという間に聞いてしまう。切ない音とダイナミックな曲の構成、静と動の調和など聞いていて飽きることがない、まさに傑作アルバムである。この人たちのライヴ盤もあるが、とにかくうまい。しかし、この作品以上のものはもう作り出せなかった。
 いろんな人に聞いて欲しいなと思う作品である。ヴァイオリン好きの自分は、たまらない作品。
(2001年3月5日)